エアコンの室外機が直射日光にさらされると冷房の効率が落ちると聞いたことはありませんか?
筆者もテレビだったか、ネットだったか媒体は不明ですが、そういったお話を何度か見聞きしたことがあります。
実際に調べてみると、直射日光にさらされて室外機自体の温度が上昇すると廃熱の効率が落ちるということで、事実のようでした。
室外機を日の当たりにくい場所に設置したりすることで対策をすることもできるようですが、どうしても直射日光の当たる場所に設置せざるを得ない場合もあるかと思います。
そんなときに役立つアイテムが室外機カバーです!
市販でも数多の室外機カバーが販売されていますが、当方DIYブログですので今回は室外機カバーを自作してみました。
この記事では作成した室外機カバーの紹介と作り方を解説します。
良かったら最後まで読んでもらえると嬉しいです!
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はじめに
最初に解説しておきますが、室外機カバーの設置についてはメーカーが推奨しているわけではありません。
直射日光を避けること自体は推奨されていますので、日の当たりにくい場所に設置するというのが原則です。
とはいっても日の当たりにくい場所に設置することができない場合もあるでしょうし、事実近所の家を見てみると直射日光ガンガンの場所に設置してある室外機を結構見かけます。
そういった室外機にカバーを取り付けることで一定の節電効果はあるとは思います。
ただし、メーカーが推奨しているわけではないので、設置する場合は自己責任でお願いします。
室外機の役割
室外機には、冷房時に室内の熱を外に逃がし、暖房時には外気からの熱を取り込むという役割があります。
※もっと詳しく知りたい方はGoogle先生にお聞きください。
そのため、直射日光や雨、雪を避け、室外機周辺の空気の流れを良くしておく必要があります。
特に夏の冷房稼働時は熱を外に排出する役割があるにも関わらず、直射日光で室外機自体が熱くなることで熱排出の効率が下がってしまいます。
雨にも強く設計されはいますが、強雨に晒され続けると故障する可能性もあるようです。
また、雪が積もって空気の流れが悪くなることで、本来の性能を発揮できなくなってしまいます。
そういった問題点を解消できる室外機カバーは一見良いように感じますが、注意が必要な部分もあります。
室外機カバーの注意点
室外機カバーを設置することで、直射日光や雨、雪に晒されることを防ぐことができます。
ただし、この章の最初に解説したようにメーカーはカバーの設置を推奨していません。
理由としてはカバーだと室外機に近すぎるからですね。
一番の懸念としては空気の流れが悪くなるということです。
特に箱型の室外機全体を覆うタイプのカバーでは空気の流れが著しく悪くなり、空気交換の効率を下げる大きな原因になりかねません。
また、室外機周辺のスペースは最低限開けておかなければならない領域があります。
室外機カバーではこれらの条件を満たすことができないため、設置は推奨されていないということになります。
そのため、DIYで作成する場合は注意点にもしっかりと向き合い、空気交換効率が下がりにくいものを作成するようにしましょう。
何度も言っているように室外機カバーの設置は自己責任になりますので、設置する場合はしっかりとデメリットも理解した上で行ってください。
作成した室外機
早速ですが、画像の室外機カバーが完成品になります。
わかりにくいかもしれませんが、正面のルーバー部分以外は特に覆っている部分はありませんので通気性も抜群です!
設置場所の都合により、正面からの直射日光が一番強いので側面は覆わないという仕様にしました。
どこからの日光が一番強いかによって、覆う場所を変更するのも良いと思います。
サイズ
実寸で下記のサイズになっています。
- 幅: 990mm
- 奥行き: 450mm
- 高さ: 750mm
室外機にぴったりと収まるサイズで作成しました。
注意点としては、配管の部分を避けないといけないため、配管部分のみくり抜いています。
天板
NFボードと呼ばれる再生プラスチックで作られているボードを使用しました。
木材と比較すると非常に水に強い素材となっていますので、屋外で使用する室外機カバーには最適なのではないかと考えて使用しました。(廃材でちょうど余っていたというのもあります)
他のものを作った際の余りで作成したため、1枚板で使用することはできませんでした。
そのため、重なる部分は少し削ってシリコンシーラントを塗布しています。
今回は普通のシリコンシーラントを使用しましたが、こだわる方は屋外用のシリコンシーラントであったり、塗装ができるものもあるので、最適なものを選ぶことを推奨します。
ルーバー
20度の角度で奥行き80mmの板を約100mmの間隔で取り付けました。
角度の調節ができるようにすることも考えましたが、頑張って作ったとしても角度の調整は最初だけで後々変更することはほぼないと思ったので固定式としています。
角度については正直適当です。
こだわる場合は夏場の太陽の位置から最も日光を遮ることのできる角度と間隔、奥行きを計算して作成すると良いと思います。
ただ正直この計算ができる方のほうが稀だと思うので、20度くらいでなんとなく作る方が幸せになれるような気もします。
勘で作ったとはいえ筆者的にはものすごく良い角度で作ったなと自分自身で感心しています。
室外機との距離感
サイズの部分でも触れましたが、室外機にはほぼ密着しているという状態になります。
空気の通り道はたくさん用意しているので問題ないと思いますが、まだ真夏を経験していないため実運用はできていません。
もちろんメーカー推奨に準じていないため、設置する場合は自己責任となります。
もし問題があるようでしたらこの記事に追記する形でお伝えしようと思います。
作成手順
何を思ったのか組手を使用して作成しました。(金具とビスは天板固定以外で不使用)
同じように作成しても良いですし、組手の部分はビスで固定してしまっても問題ありません。
基本的には「ほぞ穴加工」を使用し、「相欠きつぎ」も少し使用しています。
設計
可能であれば簡単でもいいので設計書を作成したほうが良いです。
意外と書くのには時間がかかって、書いている時間が無駄なのではないかと感じるかもしれませんが、それは半分正解で半分不正解です。
もちろん簡単なものであれば設計書を書く時間は無駄になるかもしれませんが、複雑になればなるほど作業に出戻りが発生したり、材料が足りなくて買い足しに行く必要が出てきたりと設計書を書かないことによる時間のロスが発生し、結果的に設計書を書いた方が時間がかからないというケースが多くなってくると思います。
作成物のサイズ、必要な材料などがわかる程度で問題ないので、可能であれば作成しましょう。
注意点としては、サイズを決める際に木材の厚みを考慮に入れるようにしましょう。
線だけであまりにも簡易な設計書となってしまうと木材の厚みを考慮に入れることを忘れ、想定よりも小さく出来上がってしまい、後ほど調整が必要になることも考えられます。
例えば30x40mmの角材であれば、どちらの面を使うかなども事前に決めておくと組み立てる際もスムーズだと思います。
材料のカット
カットについて簡単に解説します。
基本的には丸ノコで切断しているだけなので、特徴的なことはしていないですが、カット後は必ず面取りをしましょう。
面を取らないと組み立て時や設置後にけがをする恐れがあります。
枠組み
廃材なども活用していますが、基本的には全て30x40mm程度の角材を使用しています。
ほぞ加工などを行うのであれば、使用する木材は全て同じとしたほうが良いです。
別々のサイズの木材を使用してしまうと加工を行う際にサイズを測るのがかなり面倒になります。
熟練者であれば問題ないですが、経験が少ない場合は必ず同じ木材を使用したほうが良いと思います。
ルーバー
幅120mm x 厚み9mmの羽目板を幅80mmカットして使用しています。
幅や長さについてはご自身の作成物に合わせて調整してください。
筆者はちょうどこの材が余っていたため使用しましたが、似たようなものであればなんでも大丈夫だと思います。
ルーバーとして使用しますので、あまり厚みのない材が望ましいです。
天板
前章でも説明しましたが、NFボードと呼ばれる再生プラスチックのボードを利用しています。
木材と比べて水を吸うこともないですし、耐久性、耐火性も優れています。
もちろん丸ノコで簡単にカットも可能なので、非常に優れた材料です。
気になる点としては、カット時ややすりを使用した際に出る屑が静電気で肌に張り付いてくることです。
木材の屑より厄介でかなり気になりました。
また、1枚で全てを覆うことができなかったため、少し削ってシリコンシーラントを使用することで隙間から水が入らないように対応しました。
ほぞ加工
ビスで固定する場合、ほぞ加工は不要ですので省いて問題ありません。
ほぞ加工に興味がある方のみ読んでいただければ大丈夫な内容となっています。
枠組み
基本的には「ほぞ穴加工」を使用し、枠の補強材を入れる部分は「相欠きつぎ」を使用しています。
補強材を後から入れたため、「相欠きつぎ」を使用していますが、全て「ほぞ穴加工」でできればそれでも問題ありません。
簡単に説明すると「ほぞ穴加工」は上記のような写真のように凹凸を作り、凸部分を凹部分に差し込むようにして組み立てます。
差し込むだけでは強度に不安があるため、しっかりと木工用ボンドを塗ってから組み立てを行います。
始めに少しきつめに作成しておき、ノミを使って微調整していくことでゆるゆるになりすぎずに作ることができます。
「相欠きつぎ」は2本の木材を全く同じように欠いてはめ込むという方法になります。
筋交いを入れる際の木材を綺麗に重ねるためなどに使用される方法になります。
ほぞ加工よりもだいぶ簡単に加工をすることができますので、試しにこちらだけやってみるのも面白いと思います。
ルーバー
ルーバーについては、固定する角度に合わせて木材を欠いて、差し込むだけという方法にしました。
できれば完璧なサイズ感で欠くことができれば最高ですが、筆者は自信がなかったので、少し緩めで作成しました。
それでも塗装を行うと少しきつくなったので、結果としてちょうどいい感じに作成できたと思っています。
筆者と同様に塗装後に差し込むことを考えている場合、少し緩めに穴加工をしておくと良いと思います。
組み立て(枠組みのみ)
今回は外で使用する想定になるため、塗装を行います。
全て組み立てしまうと塗装がやりにくくなってしまうため、枠の組み立てとルーバー・天板の組み立ては分けて行いました。
枠の組み立て自体は簡単で、ほぞ加工したものをボンドとコーナークランプを使って固定するだけになります。
ただし、配管部分のみくり抜く必要があったため、組み立てた後にくり抜いて対応しました。
塗装
室外機が白色なので塗料も白色を採用しました。
耐久性の高い塗料を2度塗りして高耐久の塗装に仕上げています。
このタイミングで枠だけでなくルーバー部分の木材についても塗装を行っています。
思っていたよりもきれいに仕上がりました。
ちなみに天板についてはもともと高耐久かつ、白色なので特に塗装は行いませんでした。
組み立て(ルーバーと天板)
塗料が完全に乾燥したらルーバーと天板の取り付けです。
ルーバーは開けたほぞ穴にボンドを塗って差し込むだけとしています。
正面から見るとめちゃめちゃきれいに仕上がっていて驚きました(^^♪
天板については金具とビスを使用して裏から止めています。
表に金具やビスが露出すると目立ちますし、さびやすくなるので裏から止める対応を行いました。
シリコンシーラントの塗布
天板には切れ目があるため、そこから水が浸入しないようにシリコンシーラントを塗布しました。
防水対応をしているわけではないのでこの対応を行ったとしても正面や側面から水は侵入します。
あくまでも上から入りにくくするだけの対応となるため、行わなくても問題はありません。
ただ見栄えもきれいになって気持ちがいいので余裕があったらやってみることをおすすめします。
筆者はグレーのシリコンシーラントしか在庫がなかったのでこちらで対応しましたが、白色やクリアを使用するとなお良いと思います。
また、屋外用のシリコンシーラントを使用したほうがより良いです。
設置
設置したら画像のような感じになりました。
めちゃめちゃ良くないですか!?
想像していたよりもかなり良い感じでかなり驚いています。
天板にレモンの木を設置して緑も取り入れてみました。
あとは耐久性ですが、まだ使用して期間が浅いので長く使用して思うところがあればまた記事にしようと思います。
作成に使用した道具
必要な道具を簡単に紹介します。
メインで使用した道具のみで一部解説を省略している道具もあります。ご了承ください。
丸ノコ
木材をカットするのに必ず必要になります。
手ノコやジグソーでも可能ではありますが、仕上がりにかなり差が出てくると思うので丸ノコを使用したほうが良いと思います。
丸ノコは危険な工具でもありますので、使用には細心の注意をするようにしてください。
インパクトドライバー
ビスで固定するのであれば必須と言っても過言ではありません。
というかDIYをするのであれば一番に持っておいた方が良い工具ですね。
もしまだ持っていないという方がいれば購入を検討してみてください。
手ノコ、のみ、金づち、木工ボンド
ほぞ穴加工を行うのであれば必ず必要になります。
手ノコについては丸ノコでも可能ではありますが、細かくやりにくい部分の作業となり、危険が伴いますので注意してください。
ほぞ穴加工は時間もかかって大変なので、全部ビスで固定するということであればなくても問題ない工具になります。
スコヤ、定規等
直角を出したりほぞ穴加工の墨付けを行ったりと非常に活躍する工具です。
ほぞ穴加工をしないにしても持っていた方がいい工具ですので、まだ持っていない方がいましたら購入を検討してみてください。
ちなみに定規について、1mとかの長いものについては無理に購入する必要はありません。
長い木材とかでも代用が可能です。(曲がったりしていないものを厳選する必要はあります)
養生テープ、シリコンシーラント
シリコンシーラントを塗布するのであれば必ず必要になります。
塗布されては困る部分に養生テープを貼っておくことで、綺麗にシリコンシーラントを入れることができます。
コーナークランプ
ほぞ加工でもビスでも必ずあったほうが良い工具になります。
コーナークランプを使用することで直角に材を止めることができるので、グラつきが発生しずらいです。
もちろんカットで精度を出しておくことも重要ですが、クランプで固定しながらビス打ちできると一人での作業も行いやすく非常に便利です。
1個だけでも良いですが、4個セットくらいを購入しておくといろいろと使えるので、複数所持がおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は室外機カバーの概要、作り方、作るのに必要な道具まで解説してみました。
一番の注意点としては室外機カバー自体はメーカーが推奨しているわけではないということですね。
こちらを理解した上で作成や設置を検討するようにしましょう。
また、筆者以外にも室外機カバーをDIYで作成されている方はたくさんいます。
他の方の記事や動画も参考にすることでより自分に合った室外機カバーを作成できると思いますので、調べてみることをおすすめします。
そして筆者の室外機カバーのように作成したものがピタッとハマった時の快感はDIYでしか味わえない素晴らしいものとなります。
こういった快感を味わいたい方は室外機カバーに限らずいろいろとDIYで作成して楽しんでみてください!
ということで今回の記事は以上になります。
他にもDIYやキャンピングカー製作に関する記事をたくさん配信しています。
もしよかったら他の記事も読んでみてください。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました!